3月4日 有島武郎(小説家)

小さき者よ。不幸な而して同時に幸福なお前たちの父と母との祝福を胸にしめて人の世の旅に登れる前途は遠い。而して暗い。然し恐れてはならぬ。恐れない者の前に道は開ける。行け。勇んで。小さき者よ

有島 武郎(ありしま たけお、1878年(明治11年)3月4日 – 1923年(大正12年)6月9日)は、日本の小説家。代表作に『カインの末裔』『或る女』や、評論『惜みなく愛は奪ふ』がある。

有島武郎は軽井沢の別荘・浄月庵で人妻である婦人公論の記者・波多野秋子と心中して45歳で亡くなっているのだが、27歳で亡くなった妻・安子との間に設けた子らに冒頭の言葉を示している。人の世の旅を照らす灯りはなく暗い、そして遠いが、勇気を携えて恐れずに行け、その先に道がある。

【久恒啓一】
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