(世論では)私は『軍人精神の権化』か、『軍国主義の亡霊』かのどちらかに色分けされていた。私はそのどちらでもないと思っていた。私は平凡で、小さな男である。命じられるまま戦って、死に残った一人の敗軍の兵である。私はただ、少し遅れて帰ってきただけの男である
小野田 寛郎(おのだ ひろお、大正11年(1922年)3月19日 – 平成26年(2014年)1月16日)は、大日本帝国の陸軍軍人、実業家。
何がないからできないというのは自分の能力のなさだ、自分の不備不明の致すところと心得よと中野学校で教えられていた小野田は、あらゆる手段を講じて生き延びた。小野田は自らを平凡で、小さな男であるというが、30年近く戦い続ける意志と能力を形づくった教育というものの影響力の大きさを思わざるをえない。
【久恒啓一】
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