5月14日 前川國男(建築家)

建築の理論を最後の一歩まで推し進める力は、口でもない手でもない、やはり建築家それ自身の生活力または生活意識そのものであります

前川 國男(まえかわ くにお、1905年5月14日 – 1986年6月26日)は日本の建築家である。府立一中、一高、東京帝大工学部卒。ル・コルビュジェの事務所に入所し、帰国後建築設計事務所をひらく。丹下健三らを育てる。

『前川國男 現代との対話』(六曜社)を読むと、建築家にとどまらず、思想・文化の巨人だったようだ。文化的価値の高い歴史的建造物を復元・保存・展示している小金井市の江戸東京たてもの園の前川國男邸は、吹き抜けの居間を中心に、それをはさむように寝室、書斎を置くという簡明な構成だ。概観の全体像は和風。建築面積は115.55へーべと小さいが、豊かな快適な空間を意識させる。強い生活力と高い生活意識を感じる空間であり、冒頭の言葉に納得する。

【久恒啓一】
図解WebプログFacebooknoteメルマガ