6月26日 柴生田稔(歌人、国文学者)

社会意識や政治意識が目に立たなくとも、地味で手堅い『自然観照と身辺詠』の中にも、時代の影はおのづから映るのである

柴生田 稔(しぼうた みのる、1904年6月26日 – 1991年8月20日)は、日本の歌人、国文学者。

冒頭の「自然観照と身辺詠」という言葉は、「吾々に今一番大事な問題は一草一花の中に造化の神秘などを感ずる事ではなく、吾々の今生きて居る四周、社会、政治の中にあり、作者自身とそれらのからみ合ひの場合にあるのだ」といった内部からアララギを批判した近藤芳美の批判にたいする反論である。政治、社会などをそのまま詠むのではなく、時代を生きている自分の身の回りの題材を大事にすることが結果的に時代を詠むことになるという論法である。「何をするかわからぬ男に任せゐる一国のことも職場のことも」(『星夜』)という歌の対象は誰だったか。

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【久恒啓一】
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