3月12日 桂文枝(上方の落語家)

無知であることは恥ずかしくない。無知に甘えることこそが恥ずかしいのだ

5代目桂 文枝(かつら ぶんし、1930年4月12日 – 2005年3月12日)は上方噺家(上方の落語家)。

TBS系クイズ番組『東大王』(日曜夜7時)に出演した東大大学院修士課程1年の伊沢拓司は、落語家・桂文枝さん(5代目)の言葉を知り、座右の銘にしていると語っている。知らないことを知ったように取り繕うのではなく、知らないことなら知ろうという姿勢に感心したのだろう。
5代目桂文枝は無知を克服しようという心構えで、日々努力し噺家として大成したのだろう。無知に甘えることは恥ずかしい。自分を甘やかしてはいけない。人生は終わりなき学びの旅なのだ。

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3月11日 上村松篁(日本画家)

鳥の生活を理解しなければ、鳥は描けない

上村 松篁(うえむら しょうこう、1902年(明治35年)11月4日-2001年(平成13年)3月11日)は日本画家。

上村松篁は鳥の写生にこだわった。インド、オーストラリア、東南アジア等を旅行して鳥を観察している。また、アトリエの敷地にも大規模な禽舎(鳥小屋)を設け、1,000羽を超える鳥を飼って生涯にわたって観察を続けていた。精進を重ねた母の影響、そして本人のあくなき探究心、それらがこの言葉を生んだことがわかり、その重みに粛然とする。

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3月10日 山口昌男(文化人類学者)

自分のやりたい研究に指導教官など、この世にいないものと思え

山口 昌男(やまぐち まさお、1931年8月20日 – 2013年3月10日)は、日本の文化人類学者。
山口昌男は、アジア・アフリカ・南アメリカなど世界各地で単独行のフィールドワークを行った文化人類学者である。

山口昌男は、自分がやりたい研究を自分の力で成し遂げ、独自の理論を発表していった。梅棹忠夫は文化人類学の唯一の方法は「比較」であると言っていたことを思い出した。誰にとっても未知の分野に進むには、確かに指導教官など不要である。凜々たる勇気と自前の武器で未知のフィールドを探検したいものだ。

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3月9日 石田晴久(計算機科学者)

インターネットのある生活

石田 晴久(いしだ はるひさ、1936年10月30日- 2009年3月9日)は、日本の計算機科学者。

石田は「多くの人がインターネットを駆使して生活を豊かに楽しくしてほしいということです。この夢ははたしてかなえられるでしょうか?」と結んでいる。それから20年、この予言すべてが常識となった。石田晴久というパイオニア精神あふれる祖父のおかげで、孫の我々は「インターネットのある生活」を享受できるようになったのである。

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3月8日 池田満寿夫(芸術家)

すべての創造は模倣から出発する。創造が真の意味の創造であるためには、その創造のための模倣が、創造的模倣でなければならない

池田 満寿夫(いけだ ますお、1934年2月23日 – 1997年3月8日)は、従来の芸術の枠にとどまらず多彩に活躍した芸術家。

「創造的模倣」を強調する池田満寿夫はあらゆる表現のジャンルを渡り歩き、独創的な仕事をし続けた。模倣から始まって各分野の意味を先達以上に深く理解し、彼等を刺激するイノベーションを起こしていったのである。それは経営学のドラッカーの言う「創造的模倣戦略」そのものであった。

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3月7日 黒岩重吾(小説家)

阿騎野の朝に志を立つ

黒岩 重吾(くろいわ じゅうご、1924年2月25日 – 2003年3月7日)は小説家。黒岩重吾は、同志社在学中に学徒出陣で北満州に出征する。敗戦の逃避行で、朝鮮経由で内地に帰還。復学後、株で儲けて酒色に溺れるが、ある日全身麻痺に襲われて3年間の入院生活を送る。

「阿騎野の朝に志を立つ」は、柿本人麻呂が「東(ひむがし)の野に炎(かぎろひ)の 立つ見えてかへり見すれば月傾(かたぶ)きぬ」と詠んだ阿騎野で古代を舞台に歴史小説を書くことを決心した立志の言葉である。古代史の舞台となった場所で生まれ育ち、百舌鳥古墳群の近くで遊んでおり、中学では飛鳥を中心にして古墳を利用した軍事練習をしており、古代史の舞台には馴染みがあった。その地で黒岩重吾の志が立った。

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3月6日 多湖輝(心理学者)

動けば必ず何かが変わります。動けば必ず何かがわかります。動けば必ず何かが身につきます。動くことによってあなたは強くなってきます

多湖輝(たご あきら、1926年2月25日 – 2016年3月6日)は、日本の心理学者。
千葉大学助教授時代の1966年に出した『頭の体操』シリーズはベストセラーとなり、それ以来この本はいまだに売れ続けている。その結果、「頭の体操」という言葉は、今では普通名詞のように使われている。

多湖輝は、動けばいい考えが浮かび、考えることができるようになってくるという。確かに友人のアイデアマンたちは常に動き続けている。SNSでそういった姿を見ることができるようになり、その確信が深まっている。健脚が優れた発想を生むのだ。頭は足でできている。人間は考える葦ではなく、人間は考える足なのである。

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3月5日 納谷悟朗(俳優、声優、ナレーター、舞台演出家)

ただ声を当てればいいと考えている声優が多すぎる。目の前に客がいると思っていない

納谷 悟朗(なや ごろう、1929年11月17日 – 2013年3月5日)は、日本の俳優、声優、ナレーター、舞台演出家。

この声優という仕事を草分けとして世間に広めたのが、納谷悟郎という人である。「ただ声を当てればよい」と考える声優の存在を納谷は憂えているのだが、その後輩の一人に接してみて感じたことは、職人的にその仕事を深掘りしている仕事師の存在があり、その憂いが届いているということである。先達の姿、声、残した言葉などを受け継いで、声優という職業が、ひとつのジャンルとして確立していると思った。

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3月4日 半村良(小説家)

地図でカミソリで裂け目を入れて出来た楕円の空間に架空の土地を作れば、それがすごくリアルになるんだ

半村 良(はんむら りょう、1933年10月27日 – 2002年3月4日)は、日本の小説家。
銀座もの、新宿もの、などの現代風俗小説と、季節感に彩られた「浅草案内」などの下町もので知られる。職業は「嘘屋」と称した半村良は「伝奇SF小説」と呼ばれるジャンルを開拓した。

99%は徹底した真実を描く。その残りで嘘をつくという手法だった。土地の植生、その日の天気、など十分な仕込みをして、地図の切れ目に、独自の秘境をつくりだすのである。だから、その嘘に読者はさわやかにだまされる。

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3月3日 村松増美(同時通訳)

私も英語が話せなかった

村松 増美(むらまつ ますみ、1930年7月31日 – 2013年3月3日)は、同時通訳の草分け。

著書『私も英語が話せなかった』はベストセラーとなった。国際化時代の人間国宝・村松増美も、英語がだめだったという逸話が満載の本である。珍訳、迷訳、失敗談のユーモアあふれる筆致が楽しめる。後に国際ユーモア学会の理事をつとめた著者のユーモア感覚で書かれたこの本は、英語を学ぼうとした人からよく読まれた。英語の達人が私はこうやって英語を克服したというタイトルではなく、「私も英語を話せなかった」という真逆のメッセージは当時の日本人を大いに励ました。

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