6月10日 水野晴郎(映画評論家、映画監督、タレント)

いやぁ、映画って本当にいいもんですね~

水野 晴郎(みずの はるお、1931年7月19日 – 2008年6月10日)は、日本の映画評論家、映画監督、タレント。

映画が好きでたまらないという映画人生がにじみ出る水野晴郎の解説と冒頭の短い言葉は今でも記憶に新しい。水野の場合は解説や評論であるが、対象は何でも、徹底した人生、一途の人には人々の尊敬の笑みがついてくるようだ。

【久恒啓一】
図解Web、プログ、Facebook、note、メルマガ

■Produced by KOELAB

6月9日 塚本邦雄(歌人、詩人、評論家、小説家)

突風に生卵割れ、かつてかく擊ちぬかれたる兵士の眼

塚本 邦雄(つかもと くにお、1920年8月7日 – 2005年6月9日)は、日本の歌人、詩人、評論家、小説家。

塚本邦雄の名前と業績については、恥ずかしながら全く知らなかった。今回作品に接してみて、跳躍する驚くべき発想、絢爛たる豊かな語彙、冷え冷えとした眼差しなどに深く感銘を受けた。「人間の愚かさ。『人間の』は、よけいだ。愚かなのは、人間以外にない」と塚本邦雄は言う、冒頭の歌「突風に生卵割れ、かつてかく擊ちぬかれたる兵士の眼 」は、戦争の悲惨さと人間の愚かさをわずか31文字であますところなく伝える衝撃の作品だ。

【久恒啓一】
図解Web、プログ、Facebook、note、メルマガ

■Produced by KOELAB

6月8日 青木定雄(実業家)

常識的なことをしっかりやることが、これが革命なんです

青木 定雄(あおき さだお(通名)、1928年6月23日 – 2017年6月8日)は、日本の実業家。在日韓国人1世。MKタクシー創業者。

消費者からみて当たり前の常識を、自らの企業で徹底して工夫を重ね、実現していったという印象が深い。それが社内の意識を改革し、さらに業界と地域を越えて波及していき、世直しが実現しているという思いが青木定雄にはあった。経営手法や評価には、嫉妬も含めて賛否両論、そして毀誉褒貶があるのは当然だが、「経営は一つの総合芸術である」と考えた交通の革命児、風雲児であったことは間違いない。

【久恒啓一】
図解Web、プログ、Facebook、note、メルマガ

■Produced by KOELAB

6月7日 日高六郎(社会学者)

自由からの逃走

日高 六郎(ひだか ろくろう、1917年1月11日 – 2018年6月7日)は、日本の社会学者。

ドイツの社会心理学者エーリッヒ・フロムの『自由からの逃走』を訳したことでも知られる。「人間の解放」を問い続けた日高は、自由を見つめていたのだろう。前近代社会の制度からの解放は「--からの自由」にとどまり、次の段階としての個人の諸能力の表現という「ーーへの自由」にまでは届かなかった。「--からの自由」は得たが、孤独や責任という新しい恐怖に直面することになり、自由を手放したくなる。それがヒトラーを生んだのだ。日高六郎は高い次元の「ーーへの自由」の存在する社会を夢見た。それは自我の確立した市民が自由に表現できる社会であり、それを実現する運動に生涯を賭けたのであろう。

【久恒啓一】
図解Web、プログ、Facebook、note、メルマガ

■Produced by KOELAB

6月6日 なだいなだ(精神科医、作家、評論家)

人間、とりあえず主義

なだ いなだ(1929年6月8日 – 2013年6月6日)は、精神科医・作家・評論家。
1955年、慶応病院医学部神経科に入局、精神科医として勤務するかたわら、文筆活動を行う。医局には麻布中学の2年先輩の北杜夫がいた。

初老期では、今から取り組んでも中途半端に終わるのではないかと想い、大きなテーマに取り組む気持ちが萎えてきて鬱病になる。それでいいではないかと思えるようになったら鬱病はなおっていくと、この精神科医は言う。とりあえず主義者になればいいのだ。これがスペイン語の “nada y nada”(何もなくて、何もない)に由来するペンネームを持つなだいなだの主張である。完全でなければ、完遂しなければ、花開かなければ意味が無い、という強迫観念から脱し、とりあえず前に進もう。

【久恒啓一】
図解Web、プログ、Facebook、note、メルマガ

■Produced by KOELAB

6月5日 佐藤棟良(フェニックスリゾート創業者)

大地に足跡を残せ

佐藤 棟良氏(さとう・むねよし。1919年1月1日-2015年6月5日)は宮崎のフェニックスリゾート創業者。

佐藤棟良は、裸一貫で事業を興し、82歳にしてまた裸一貫にもどった。しかシーガイアは残った。「大地に足跡を残せ」という哲学は、皮肉なことに壮大な失敗の軌跡として実現したのである。

【久恒啓一】
図解Web、プログ、Facebook、note、メルマガ

■Produced by KOELAB

6月4日 林隆三(俳優、ナレーター)

感情を込めないと、我々役者は

林 隆三(はやし りゅうぞう、1943年9月29日 – 2014年6月4日)は、日本の俳優及びナレーター。

「『夢千代日記』の山根刑事は忘れることができません。素晴らしかったです」と共演した吉永小百合が語ったように「感情を込める」ことができる名優だった。この人の渋い演技は私も好きだった。70歳で亡くなったが、もっと俳優の道を進んでいたら、さらに記憶に残る名演技を楽しめたのだろう。人には寿命がある。

【久恒啓一】
図解Web、プログ、Facebook、note、メルマガ

■Produced by KOELAB

6月3日 モハメド・アリ(プロボクサー)

肯定の繰り返しが信念につながる。その信念が深い確信になると、物事が実現し始める

モハメド・アリ(Muhammad Ali [muˈhɑməd ɑːˈliː]、1942年1月17日 – 2016年6月3日)は、アメリカ合衆国のプロボクサー。WBA・WBC統一世界ヘビー級チャンピオン。

モハメド・アリはリング内とリング外の戦いも素晴らしいが、そういったキャリアと人生から形づくられた思想と叡智のこもったメッセージも偉大だ。肯定が信念を生み、信念が確信を誕生させ、確信が実現と成功をもたらす。そのくり返しの軌跡が、奇跡の人を生み出したのだ。アリは更に言う。「私ほど偉大になると、謙虚になることは難しい」。そうだろう。

【久恒啓一】
図解Web、プログ、Facebook、note、メルマガ

■Produced by KOELAB

6月2日 羽田健太郎(作曲家、編曲家、ピアニスト)

来年は今年よりちょっとだけいい音楽を弾けるようになりたい。それだけを思って走っています

羽田 健太郎 (はねだ けんたろう、1949年1月12日 – 2007年6月2日) は、日本の作曲家、編曲家、ピアニスト。

冒頭の言葉のように、少しずつ上手くなろうという意志は持っていたが、飲酒癖があり、50代に入ると体調を崩すことが多くなった。多彩な才能が過労を招き、それを乗り越えるために飲酒で紛らわそうとしたのであろう。健康管理の大事さを58歳で亡くなったハネケンの早い死は教えてくれる。

【久恒啓一】
図解Web、プログ、Facebook、note、メルマガ

■Produced by KOELAB

6月1日 松田道雄(医師、育児評論家、歴史家)

いい小児科医は歴史家でなければならない

松田 道雄(まつだ みちお、1908年10月26日 – 1998年6月1日)は日本の医師・育児評論家・歴史家。

親がいらいらして子どもにたいして平常心をもてないために子どもが緊張し、それが症状に出る。小児科医は診察を通じてその親子の格闘と成長を見つめ、励ましながら伴走する役割を持っている。主治医とは患者の歴史の目撃者であり、教訓の抽出者である。特に小児科医には子どもだけでなく親も含めた親子の歴史についての観察力が必要なのだろう。いい小児科医が歴史家であるとは虚をつかれる思いがするが、慧眼という外はない。

【久恒啓一】
図解Web、プログ、Facebook、note、メルマガ

■Produced by KOELAB