9月30日 朴正煕(軍人、政治家)

百の理論より一つの実践が要望され、楽しい分裂より苦しい団結がなければならず、他をくじくことよりも助けることを知り、惜しむことを知らねばならぬ

朴正煕(パク・チョンヒ、日本語読み: ぼく せいき、時憲暦9月30日(1917年11月14日) – 1979年10月26日)は、韓国の軍人、政治家。

「我が半万年の歴史は、一言で言って退嬰と粗雑と沈滞の連鎖史であった」という朴は、事大主義と属国性を脱却し、韓国近代化のために手段を選ばない開発独裁体制を推進したのだが、私人としては清廉であったとの評価がある。「子孫のために美田を残さず」という西郷隆盛を尊敬していた影響であろう。韓半島の統一で民族国家の威勢を示すことを目指した朴大統領は、難しい時代環境の中で、理論よりも実践、分裂よりも団結を重んじながら、故国の発展の礎を築こうとしたのだ。リーダーのスタイルは、必ずしもその人固有のものではない。遭遇した時代と周囲の環境と自らの力量との相関の中で、現下のテーマに沿ってどのような形のリーダーシップを選ぶかという選択なのだ。

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9月30日 椎名悦三郎(官僚、政治家)

余分なことを言ったりやったりすれば、面倒な場面を招くのにつながる。だから余分なことをしない「省事」の心が必要になるのさ、、、、重い地位へ就けばなおさらこの心が必要になってくるのだ

椎名 悦三郎(しいな えつさぶろう、1898年(明治31年)1月16日 – 1979年(昭和54年)9月30日)は、日本の官僚、政治家。戦前の官僚時代は岸信介の腹心として活躍し、商工次官、軍需次官などを務めた。戦後は政界入りし、内閣官房長官(岸内閣)、通商産業大臣(21代・30代)外務大臣(94-95代)、自由民主党・総務会長、政調会長、副総裁を歴任した。

「省事に如かず」は、小泉純一郎首相の座右の銘と記憶している。邪律楚材の「一利を興(おこ)すは一害を除くに如かず、 一事を生ずるは一事を省くに如かず」からきている。もともとは害や無駄を取り除く方が、始めるより大事という意味である。それに加えて、私は高い地位に就いたらささいなことに惑わされないで、本筋を常に念頭において事にあたらなければならない、と捉えたい。

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9月29日 セルバンテス(作家)

前が誰と一緒にいるか、いってみな。そうしたら、お前がどんな人間かいってやる

ミゲル・デ・セルバンテス・サアベドラ(Miguel de Cervantes Saavedra, 1547年9月29日 アルカラ・デ・エナーレス – 1616年4月23日、マドリード)は、近世スペインの作家で、『ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ』(Don Quijote de la Mancha)の著者として著名。

誰と一緒にいるか。その誰かとは、親分であり、仲間であろう。優れた師を持てれば半ば成功が約束される。立派な友達を持つことで自身が磨かれ豊かな人生へつながる。師匠と友人の、広さと高さがその人の運命を決める。確かにそうだ。セルバンテスの数多い警句は人の世の芥の中から世の中の真実を見据える透徹した目を感じさせる。

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9月29日 遠藤周作(小説家)

私は地方の町に行くと、必ずその町の役場に山城の跡はありませんかと問い合わせることにしている。その山城をめぐる攻防や、そこに拠った一族の歴史をあとで調べることにしている。その結果、それらの場所が私だけの名所旧跡になる

遠藤 周作(えんどう しゅうさく、1923年(大正12年)3月27日 – 1996年(平成8年)9月29日)は、日本の小説家。随筆や文芸評論や戯曲も手がけた。

自分だけの名所旧跡を持っていることが、遠藤周作の創作の秘密だった。人と同じものを見、人と同じ生活をしていては、人と同じになってしまう。自分だけの泉を持つことが個性を持つことにつながる。

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9月28日 大槻玄沢(蘭学者)

およそ、事業は、みだりに興すことあるべからず。思いさだめて興すことあらば、遂げずばやまじ、の精神なかるべからず

大槻 玄沢(おおつき げんたく、宝暦7年9月28日(1757年11月9日)- 文政10年3月30日(1827年4月25日))は、一関藩出身の江戸時代後期の蘭学者。

大槻玄沢は「遂げずばやまじ」の精神で、玄白から命ぜられて『解体新書』の改訂に取り組む。1790年から始めて、1798年には『重訂解体新書』ができた。改訂作業は続き、1804年にようやく完了した。偉業である。著書や翻訳書は、300巻に及ぶという仕事人でもあった。その精神は、息子の盤渓、孫の文彦にも引き継がれて、それぞれ歴史に名を残す仕事を完成させている。その源は玄沢であった。この人の影響力は何世代にも渡った。

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9月28日 安田善次郎(実業家)

今日一日、腹を立つまじきこと、今日一日、人の悪しきを言わず、我が良きをいうまじこと

安田 善次郎(やすだ ぜんじろう、天保9年10月9日〈1838年11月25日〉 – 大正10年〈1921年〉9月28日)
1838年越中富山生まれ。1863年、江戸で両替商を開業。太政官札の取扱などで財をなし。1876年第三国立銀行、1880年安田銀行、93年帝国海上保険、を設立。94年共済生命保険を設立。潤沢な資金で社会資本整備に尽力したほか、不良債権処理、銀行の経営指導や再建に手腕を発揮。1921年に殺害される。享年82。

大富豪になった安田善次郎は多くの陰徳を積んでいたが、世間の目は厳しかった。全共闘がこもったあの東大安田講堂は善次郎の寄付でできた建物である。最後は暴漢に襲われて生涯を終えるのだが、中傷と怨嗟の渦の中で国家のために怒濤のような仕事を完遂させていく善次郎の生涯は素晴らしい。克己と努力の人であった。人の悪口を言わない、自慢をしない。これは難しいことだが、安田善次郎は、そのことを意識して実行しようとした。我が身を振り返って反省しきり。

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9月27日 武市瑞山(志士、武士)

ふたたひと 返らぬ歳をはかなくも 今は惜しまぬ身となりにけり

武市 瑞山(たけち ずいざん。文政12年9月27日(1829年10月24日)-慶応元年5月11日(1865年7月3日))は、日本の志士、武士(土佐藩郷士)。土佐勤王党の盟主。通称は半平太で、武市 半平太(たけち はんぺいた)と呼称されることも多い。

切腹を命じられた半平太は体を清めて正装し、未だ誰も為しえなかったとさえ言われてきた三文字割腹の法を用いて、法式通り腹を三度かっさばいた後、前のめりになったところを両脇から二名の介錯人に心臓を突かせて絶命した。享年37。藩主山内容堂は武市へ切腹を命じたことを悔いていた。冒頭に掲げた歌は、武市瑞山の辞世の歌である。

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9月27日 谷川 徹三(哲学者)

学問は満足しようとしない。しかし経験は満足しようとする。これが経験の危険である

谷川 徹三(たにかわ てつぞう、1895年(明治28年)5月26日 – 1989年(平成元年)9月27日)は、日本の哲学者。法政大学総長などを務めた。愛知県知多郡常滑町(のち常滑市保示町)生まれ。京都帝国大学哲学科卒業。日本芸術院会員。常滑市名誉市民。ジンメル、カントの翻訳や、文芸、美術、宗教、思想などの幅広い評論活動を行った。詩人の谷川俊太郎は長男。林達夫、三木清とは同期の友人。

経験は強烈であり、人はそこから深い教訓を得ることができる。しかし、一人の人が短い一生の中で持つ経験はあまりにも少ない。だから、経験による教訓に過度に頼る経験主義は限界もあるし、危険でもある。一方、学問は先人の経験の積み重ねによる叡智が結集されているから一般性が高いが、満足するという段階には永遠に届かない。どちらにも危険は宿っている。学問と経験のほどよいバランスが大事だ。相互交流によって階段をのぼっていこう。

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9月26日 ハイデッガー(哲学者)

人は死から目を背けているうちは、自己の存在に気を遣えない。死というものを自覚できるかどうかが、自分の可能性を見つめて生きる生き方につながる

マルティン・ハイデッガー(Martin Heidegger、1889年9月26日 – 1976年5月26日)は、ドイツの哲学者。

「私が死んだら、原稿は100年間封印してほしい。時代はまだ私を理解する構えにはない」と遺言で述べていたが、計算すると100年後は2076年だ。人間は死を意識すると生き方が変わる。時間との競争の中で、今何をすべきかを考えるようになる。死を意識すると有限の持ち時間の中で、自己の可能性をどう実現するかを真摯に考えるようになるのだ。

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