8月31日 岡田紅陽(写真家)

一生に一度でいいから会心の一枚を撮ってみたい

岡田 紅陽(おかだ こうよう、1895年8月31日 – 1972年11月22日)は、日本の写真家。1923年の関東大震災の被害状況を東京府の嘱託として撮影。1925年写真スタジオを設立。主に山岳写真、風景写真を撮影、富士山の撮影をライフワークとした。1952年日本写真協会を創設。

紅陽は制作日誌を書き続けている。使用したカメラ、レンズ、フィルター、乾板とフィルム、露出、絞り、現像、印画紙などを詳しく記している。同じ被写体を二度と撮らない、同一の失敗を二度と繰り返さぬ、戒めの手段である。こういう心掛けの岡田紅陽にして「会心の一枚」はなかった。

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8月31日 菊地庄次郎(実業家)

経営者は優れた教育者でなければならない

菊地 庄次郎(きくち しょうじろう、明治45(1912)年3月1日~昭和59(1984)年8月31日) 昭和期の実業家。

この言葉の前には「企業の盛衰を決めるのは、結局は企業を構成する人間集団である。輝かしい伝統も、優れた組織や強力な蓄積も、その時々の担い手次第で、槿花一朝の夢となる。したがって企業にとっては、人材育成が何にも増して重要なテーマであり、」という言葉がある。経営者はもちろんだが、企業の管理者も自分は教育者であるという意識がなくては人間集団として組み上がった組織を十全にまわすことはできないと思う。手間をかけて時間をかけて人をつくっていくことが迂遠なようであるが結局は近道なのだ。そういう意味から、この菊地庄次郎の名言に共感する。

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8月30日 アーネスト・ラザフォード(物理学者、化学者)

物理の原理をバーのウエイトレスに説明できないのであれば、それはウエイトレスではなく、その原理に問題があるのだ

アーネスト・ラザフォード(Ernest Rutherford, 1st Baron Rutherford of Nelson, OM, FRS, 1871年8月30日 – 1937年10月19日)は、ニュージーランド出身、イギリスで活躍した物理学者、化学者。ノーベル化学賞を受賞。

「単純さを信条として、いつも質素な人間でいる」ことを信条としたラザフォードは、自然現象の原理の単純化をどこまでも追いかけて、ついに原子の内部構造についての正しい理解の基礎までたどり着いた。そして誰にでも分かるような原子模型(モデル)をつくり、それによってで物理や化学が大いに発展していく。原理というものは常に単純である。

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8月30日 山口瞳(作家、エッセイスト)

(新入社員)諸君、一所懸命はたらきなさい。誠心誠意ではたらき有能な社員になってください。有能な社員とは、役に立つ社員のことです。役に立つ社員とは、何か自分のものを持っている社員のことです。誠心誠意はたらきなさい。ミミッチイ考えを起しなさんな。給料分だけはたらけばいいだろう、なんて薄ぎたない根性をお持ちになったらオシマイだよ

山口 瞳(やまぐち ひとみ、1926年(大正15年)11月3日 – 1995年(平成7年)8月30日)は、日本の男性作家、エッセイスト。36歳、サントリー宣伝部在職中に「江分利満氏の優雅な生活」で直木賞受賞。

この文章は、新入社員に向けて語った言葉である。ただ、ひたすら働き、役に立つ社員になれというメッセージだ。適当に働いて給料をもらえばいいやなどというミミッチイ考えを捨てよ。こういう機微がわかる人が書くサントリーの宣伝コピーだから世の中のど真ん中にヒットしたのだろう。

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8月29日 ジョン・ロック(哲学者)

収入は、靴のようなものである。小さすぎれば、われわれを締めつけ、わずらわす。大きすぎれば、つまずきや踏み外しの原因となるのだ

ジョン・ロック(John Locke、1632年8月29日 – 1704年10月28日)は、イギリスの哲学者。主著『人間悟性論』(『人間知性論』)において経験論的認識論を体系化した。イギリス経験論の父と呼ばれる。

「美味とは食物そのものにあるのではなく、味わう舌にあるものである」という名言も面白い。味わう舌が問題だというのも、受け取る側の感覚が重視される。経験からいかに学ぶかも受け取る側の能力が問題となる。「経験論」は主体性がテーマだろう。そして「収入は靴と似ている」という比喩には膝を打つ。「身の丈」を重視せよということだ。ロックは、徹底した経験主義の人であった。

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8月29日 大河内正敏(物理学者、実業家)

いいんだよ 出し惜しみしていては いつまでたっても欧米には追いつけん!

大河内 正敏(おおこうち まさとし、1878年(明治11年)12月6日 – 1952年(昭和27年)8月29日)は、物理学者であり実業家である。東京府出身。子爵。理化学研究所(理研)の3代目所長、貴族院議員。女優の河内桃子は孫。

STAP細胞騒動で話題になった理研は大河内所長の時代に飛躍している。大河内の周辺は皆心から大河内を尊敬し、愉快に研究に没頭することができたという。「人を見る眼が特に秀でて、偽物は直ちに見破られ真面目な研究者をよく保護し育成した」と言われた。その大河内所長は、発見や発明もどんどんオープンにし国家の発展を科学面から支えたのである。

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8月28日 ゲーテ(詩人、劇作家、小説家、自然科学者)

仕事は仲間をつくる

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(Johann Wolfgang von Goethe、1749年8月28日 – 1832年3月22日)は、ドイツの詩人、劇作家、小説家、自然科学者(色彩論、形態学、生物学、地質学、自然哲学、汎神論)、政治家、法律家。

考え方や価値観が同じの仲間と一緒に仕事ができたら楽だろうと考えがちだ。しかし一緒に仕事をすると対立に陥ることが多くなる。そうではない。ある目的のために、考え方の違う人たちと一緒に取り組むと、多くの困難が待ち構えている。その困難をともに乗り越えて目的を達成するプロセスの中で同志になっていくのだ。仲間が仕事をつくるのではない、仕事が仲間をつくるのだ。

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8月28日 道元(禅僧)

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて 冷しかりけり

道元(どうげん、正治2年1月2日(1200年1月19日)- 建長5年8月28日(1253年9月22日))は、鎌倉時代初期の禅僧。日本における曹洞宗の開祖。

この春夏秋冬の日本の自然の素晴らしさを詠んだ道元の辞世の歌は、私たちに愛国心を呼びさまさせる。特に冬の雪の表現がいい。道元が建立した越前福井県の永平寺での厳しい修行の姿を垣間見ることができるようだ。

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8月27日 阿部次郎(哲学者、美学者、作家)

死は生の自然の継続である。最も良き生の後に、最も悪しき死が来る理由がない。死に対する最良の準備が最もよく生きることにあるのは疑いがない

阿部 次郎(あべ じろう、1883年(明治16年)8月27日 – 1959年(昭和34年)10月20日)は、哲学者、美学者、作家。仙台市名誉市民。

「人間は長生きしなければ駄目だ」と語っていた阿部次郎は59歳で東北大学法文学部長に就任するが、翌年軽い脳溢血で辞任する。定年退官後はどのような知的生活を送ったのだろうか。脳軟化症で入院し、翌年76歳で人生を終える。良き生を全うできたのだろうか、気になるところである。

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8月27日 貝原益軒(本草学者、儒学者)

聖人を以てわが身を正すべし、聖人を以て人を正すべからず。凡人を以て人を許すべし、凡人を以てわが身を許すべからず

貝原 益軒(かいばら えきけん、1630年12月17日(寛永7年11月14日) – 1714年10月5日(正徳4年8月27日))は、江戸時代の本草学者、儒学者。

貝原益軒は高齢社会のモデルというべき人物だ。71歳で黒田藩への宮仕えをやめて、著述に専念する。そして84歳で書いた著作が名著として後代に残った。この人の著作には人生を送る上での名言が数多くある。「志を立てることは大にして高くすべし。小にして低ければ、小成に安んじて成就しがたし。天下第一等の人とならんと平生志すべし」と言うように、高い志を貫いた人だ。貝原益軒の言はもっと時間をかけてかみしめたい。

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