1月31日 芥川也寸志(作曲家、指揮者)

父(芥川龍之介)が死んだ年齢である三十六歳を越えていく時は、もっとやり切れなかった。毎日のように、畜生!畜生!と心の中で叫んでいた。無論、自分が確立されていないおのれ自身への怒りであった

芥川 也寸志(あくたがわ やすし、1925年7月12日 – 1989年1月31日)は、日本の作曲家、指揮者。JASRAC理事代表作に『交響三章』『交響管弦楽のための音楽』『弦楽のための三楽章』。映画音楽・放送音楽の分野では『八甲田山』『八つ墓村(野村芳太郎監督)』『赤穂浪士のテーマ』など。童謡では『小鳥の歌』『こおろぎ』など。

芥川の音楽界での功績を記念して1990年4月、サントリー音楽財団により「芥川作曲賞」が創設された。父は「芥川賞」、息子は「芥川作曲賞」である。また埼玉県松伏町に、芥川の『エローラ交響曲』から名を取った田園ホール・エローラがある。芥川龍之介記念館はまだないから、父を超えたということも言えるかもしれない。芥川也寸志は才能と努力と明るい性格で自己を見事に確立したのである。

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1月30日 加藤寛(経済学者)

人生は修行の連続とよく言うが、世の中に無駄な仕事はない。どんな仕事もどんな経験でも必ずそこには自分に役立つ勉強が潜んでいる。だから、ただ働きを惜しんではいけない

加藤 寛(かとう ひろし、1926年(大正15年)4月3日 – 2013年(平成25年)1月30日)は、日本の経済学者。政府税制調査会会長、内閣府規制改革担当顧問、嘉悦大学学長、千葉商科大学名誉学長、日本経済政策学会会長・日本計画行政学会会長・ソ連東欧学会代表理事・公共選択学会会長等を歴任。

加藤寛は野田一夫先生の友人で、会話の中でよく登場していたし、政府委員として重要な政策のキーマンだったから、その姿はよく見かけている。
「ただ働きを惜しんではいけない」には賛成だ。苦手な仕事を含め、どんな仕事も自分を高める経験となる。そういう気概や心構えが後のミスター税調・加藤寛を形づくったことは容易に推察できる。

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1月29日 布川角左衛門(編集者、教育家)

今日も亦、生涯の一日である。明日を考えて共に生きよう。そこにそれぞれの人生がある。ゆっくり急げ

布川 角左衛門(ぬのかわ かくざえもん、1901年10月13日 – 1996年1月29日)は新潟県出身の編集者、教育家。普連土学園理事長。日本出版学会会長。

「それぞれの人生は作られるものである。同時に自ら作るものである。ゆっくり急げ」という処世訓は、晩年の筑摩書房再建時には進化して冒頭に掲げるものになった。そして「私にとって終生はあっても余生はない」と自分を励まし生涯現役を貫いた。

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1月28日 山階芳麿(元皇族、山階鳥類研究所の創設者)

保護の仕事をやる以上、滅ぼさないようにしなければならない

山階 芳麿(やましな よしまろ、1900年(明治33年)7月5日 – 1989年(平成元年)1月28日)は、日本の元皇族。山階鳥類研究所の創設者。第1級ゴールデンアーク勲章受勲。ジャン・デラクール賞受賞。

「保護の仕事をやる以上、滅ぼさないようにしなければならない。文化財保護法の現代的改正であり、私の余生はそのために尽くしたいと思っている」と78歳の芳麿は決意を述べその通りの月日を送った。「鳥」一筋の生涯であった。よく名前を聞く山階鳥類研究所の活躍や、我が国の鳥学研究の発展と鳥類の保護活動に寄与した個人・団体を顕彰する山階芳麿賞の存在で山階芳麿の業績は長く記憶されることになった。

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1月27日 大原富枝(小説家)

何が寂しいものですか。読みたい本も、考えることもたくさんある。年をとることって、楽しいですよお

大原 富枝(おおはら とみえ、1912年9月28日 – 2000年1月27日)は日本の小説家。
高知県生まれ。高知女子師範在学中に結核にかかり、療養中に文筆活動を始める。1938年に『祝出征』が芥川賞候補になる。29歳、戦後の混乱期に上京し創作に活動を本格的に開始する。

10代後半から20代後半にかけて大病をした大原富枝は、「負の世界」で運命に抗う人間、女性を描いた作品で多くの人々の共感を得た。ソ連をはじめ世界各国で翻訳出版されている代表作『婉という女』では幼時から 40年間の幽閉生活を強いられた婉の生涯をたどりながら絶対的な孤独を描き、悟りの境地に達した婉を描いた。幽閉生活を送った婉と同様に長い療養生活で孤独の闇を知っている大原富枝は、運命に抗う生命力で楽しく、そして逞しく年を重ねたのだろう。大原富枝文学館を訪ずれることにしたい。

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1月26日 野中広務(政治家)

『運・鈍・根』、つまり、運を得ることと、それを焦らず活かすための不断の努力、そして根性が、人間の進み方として一番必要じゃないかと思っています

野中 廣務(のなか ひろむ、1925年(大正14年)10月20日 – 2018年(平成30年)1月26日 )は、日本の政治家。

「運・鈍・根」という人生訓は、人との縁を大事にし、不断の努力を重ね、不屈の根性で生きぬけというアドバイスだろう。自分を厳しく叩き上げた野中広務の言だけに深く刺さるものがある。合掌。

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1月25日 三木のり平(俳優、演出家、コメディアン)

演技の勉強は、いつもじっと観察すること。面白い発見がある。それを芸にする。裏の裏を見る。仕掛けはどうなっているんだろうって思わないヤツに進歩はない

三木 のり平(みき のりへい、1924年4月11日 – 1999年1月25日)は、昭和期の俳優、演出家、コメディアン。

「はならっきょ」が記憶に残る桃屋のアニメCMは1958年から1998年まで40年間放送されたから、三木のり平は茶の間の人気者だったが、本質は優れた役者だった。いろいろな場所でじっと人間を観察する。そこで得たヒントを芸にまで練り込んでいく。観察、発見、仕掛け、芸という一連の流れを生涯続けた人である。観察眼、探究心、表現力、こういう姿勢は例えば大実業家・渋沢栄一など進歩を重ねる一流の人物に共通している。仕事師たらんとする職業人は三木のり平に学べ、である。

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1月24日 吉野トヨ子(陸上競技選手)

吉野選手には顔中にひげが生えている

吉野 トヨ子(よしの トヨこ、1920年2月12日 – 2015年1月24日)は、日本の陸上競技選手。ヘルシンキオリンピック・メルボルンオリンピック陸上女子円盤投代表。元円盤投日本記録保持者、五種競技日本記録保持者。

後年、吉野はマスターズ陸上に参加している。1987年の67歳ではW65クラスの円盤投げで日本マスターズ新記録を樹立し、3年後の1990年の70歳ではW70クラスでも新記録を樹立した。昔取った杵柄ではないが、生涯を通じてスポーツの分野で記録を出し続けながら、後輩たちに勇気を与える生き方を貫いた姿は立派である。94歳で逝去。

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1月23日 戸板康二(演劇・歌舞伎評論家、推理作家、随筆家)

道にはトレーニングがつきもの。道とつく限り、鍛錬を抜きにしては考えられません

戸板 康二(といた やすじ、1915年12月14日 – 1993年1月23日)は日本の演劇・歌舞伎評論家、推理作家、随筆家。直木賞作家。

自分の分野を歩く。それは必ず「道」になる。道には「鍛錬」が必要だ。一千日が鍛であり。一万日が錬であると武蔵が五輪書の中で語っている。鍛えるのに3年、練るのに30年かかる。戸板康二は77年の生涯の50年をかけて172冊の著書を刊行している。その分野は評論・評伝、エッセイ、小説、戯曲、句集、対談、テレビドラマの原作など、実に広い。文人だった。詳しかった歌舞伎、演劇に限らず、人物論にも鍛錬でつくられた道がみえる。

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1月22日 常盤新平(作家、翻訳家、アメリカ文化研究者)

臆病になるな、他人の目や陰口にとらわれず、自分のやりたいことに忠実になろう

常盤 新平(ときわ しんぺい、1931年(昭和6年)3月1日 – 2013年(平成25年)1月22日)は、日本の作家、翻訳家であり、アメリカ文化研究者である。

常盤新平の師匠は5歳年上の直木賞作家・山口瞳であった。サラリーマンの生態や心理をよく知った山口瞳の31年1614回続いた「週刊新潮」の連載『男性自身』を、たまたま読んだのがきっかけで出入りするようになった。山口瞳の13回忌を迎える頃書いた『国立の先生 山口瞳を読もう』には、国立に住む師匠の山口瞳への思いがつまっている。文庫本や全集に書いた解説をまとめたものである。
他人の目、他人の口、つまり世間を気にしずぎることをやめて、自分自身の為すべきことを為そう。

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