2月10日 石牟礼道子(作家)

銭は一銭もいらん。そのかわり、会社のえらか衆の、上から順番に、水銀母液ば飲んでもらおう。、、、上から順々に四二人死んでもらう。奥さんに飲んでもらう。胎児性の生まれるように。そのあと順々に六九人、水俣病になってもらう。あと百人ぐらい潜在患者になってもらう。それでよか

石牟礼 道子(いしむれ みちこ、1927年3月11日 – 2018年2月10日)は、日本の作家。

何もなかった状況に戻って、失われた日常を取り戻すことが、患者や家族たちの本当の願いだ。それがかなわないから補償という次善の策になった。それでも償おうとしないことに当事者も、そして石牟礼も怒りを持つのだ。石牟礼道子の誕生日の3月11日は、奇しくも2011年の東日本大震災の起こった日である。原発の災禍に見舞われた人たちの姿がだぶって見える。原発事故に水俣と同じ構造をみていたのである。死去の翌日の2018年2月11日の朝刊を手にすると、日経新聞の「春秋」、東京新聞の「筆洗」、朝日新聞の「天声人語」、毎日新聞の「余録」も、石牟礼道子の死と『苦海浄土』を取り上げていた。石牟礼道子の仕事は尊い。

【久恒啓一】
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