6月15日 十四代目 酒井田柿右衛門(陶芸家)

職人は不器用な人がいい

14代目 酒井田 柿右衛門(14だいめ さかいだ かきえもん、1934年8月26日 – 2013年6月15日)は、有田焼を代表する陶芸家で、“酒井田柿右衛門”の14代襲名者。

小さな湯呑み茶碗でも数十人の職人が要る。技術の連鎖、職人の連鎖が連なって小さな湯呑み茶碗を完成させる。一人前の職人になるには20歳からはじめて50歳になるくらいまで努力が必要であり、ロクロが一人前にひけるには少なくとも20-30年はかかるのだ。作家は自分自身の世界を築くことが目的であり、職人の修行とは違う。職人は不器用な人がいい。「作家先生になるのか、窯のオヤジになるのか」、は名窯に生まれた者への宿命の問いだ。器用な人はなかなか根気が続かない。不器用な人は修行という態度で一心に時間と労力を注ぐ。落語など伝統芸能の世界でも同じ言葉を聞く。不器用は一種の才能だ。

【久恒啓一】
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